チラシの文案、いつも誰が考えていますか
閉店したあとの店で、社長がひとりで頭をひねっている。夜のパソコンの前で、去年のチラシを開いて「今年も、これでいいか」となる。中小企業の販促の文章は、たいていこうして生まれています。
思いついた一言をそのまま値札に書く。書くこと自体は5分で終わるのに、何を書くかで1時間悩む。しかも悩んだ結果が、去年と同じ文言になる——。
私(エムビジョンの代表)も自分の会社の案内文を書くとき、この「ゼロから絞り出す時間」がいちばん重いと感じます。ここは、AIに案を並べてもらうのが向いている仕事です。
AI(ChatGPTなど)に、こう頼んでみてください
無料で使えるAIを開いて、次の文をそのまま貼り付けます。商品名と、お客様がどんな方かを、あなたのお店の内容に書き換えるだけです。
新作の焼き菓子の詰め合わせの店頭POPの文案を5案ください。お客様は、贈り物を探している50代の女性が多いです。20文字以内の短い見出しと、ひとこと説明のセットで。
チラシならPOPを「チラシの見出し」に、SNSの投稿なら「SNS投稿の文案」に置き換えれば、同じやり方が使えます。
コツ1|「5案ください」と数を指定する
この頼み方でいちばん効いているのは、じつは「5案ください」の一言です。
1案だけ頼むと、それが良いのか悪いのか判断できません。5つ並べば、どれが自分の店に合うかはすぐ分かります。「これは固すぎる」「これは軽すぎる」と、比べることで自分の基準が見えてくるからです。気に入った2案の良いところを組み合わせてもかまいません。
書く側ではなく、選ぶ側に回る。 ゼロから絞り出すより、並んだものから選ぶほうが、人はずっと速く決められます。
コツ2|「お客様は◯◯な人が多い」を添える
もう一つは、お客様がどんな方かを一言添えることです。贈り物を探している50代の女性なのか、部活帰りの高校生なのか、現場帰りに寄る職人さんなのか。
これを伝えるだけで、出てくる言葉づかいが変わります。伝えないと、どこの店でも通じる、当たりさわりのない文章が並びます。売上がどうなるかまでは分かりませんが、少なくとも「うちの店の言葉」に近いところから選べるようになります。
注意点|強すぎる言葉は、人が削る
AIは「日本一」「必ず」「絶対に」といった強い言葉を、平気で書いてきます。勢いがあって、つい採用したくなります。そのまま店頭に出さないでください。
言い切れないことは削る。ここは人の仕事です。迷ったら「これを社外の人に見せて、根拠を聞かれたら答えられるか」で判断してみてください。AIは「優秀だけれど思い込みの激しい新人」です。最終確認は必ず人が行ってください。
もう一つ、AIに渡す情報の扱いです。覚え方は「新聞に載って困る情報は入れない」。
- お客様の個人情報(氏名・連絡先など)
- 取引先との秘密(契約内容・単価など)
- 社内の未公開情報(財務・人事など)
販促文で気をつけたいのは③です。発売前の新商品や、まだ公表していない値上げの予定は、公表してからAIに渡す。公表済みの商品で文案の練習をしてから、本番に使うくらいでちょうどよいと思います。
この記事のまとめ

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