「良いのは分かった。で、うちは何から?」
AIが良いというのは、もう十分に聞いた。でも、うちは何から始めればいいのか——。福岡の経営者の方とお話ししていて、いちばん多く出てくるのがこのご質問です。
そして「何から」と考え始めると、たいてい止まります。まず研修をやるべきか。どの道具を入れるべきか。担当は誰にするか。どれも、いま決めなくて大丈夫です。私(エムビジョンの代表)も、評論家としてではなく、自分の会社の総務・経理・営業事務をAIで回している当事者としてお伝えしますが、最初の一歩はもっと小さくて構いません。この記事は、これまで15本ご紹介してきた事例の締めくくりとして、その進め方を整理したものです。
「ツールの紹介」を聞きに行っても、明日は変わらない
世の中にAIのセミナーはあふれています。ただ、多くは「こんな道具があります」という紹介で終わってしまうのが正直なところです。聞いた直後は面白いのですが、会社に戻ると何も変わっていない。
必要なのは、道具の名前を覚えることではありません。自社のどの業務に使うかを、1つ決めて帰ることです。私がセミナーでも個別相談でも変えていないのは、その一点だけです。ですから、この記事でも道具の名前や料金の話はしません。無料で始められるものなら、どれを選んでも大きな差はないというのが私の立場です。
最初の1つは、この3つの目で選ぶ
AIが得意なのは、大きく次の3つです。この目で自社の仕事を見直すと、任せられる業務が見つかります。
- 下書き — ゼロから書くのをやめる(お詫びメール、求人票、値上げのお知らせ。→記事01:お詫びメールの下書き)
- 短くまとめる — 長いものは、読まずに聞く(打合せの録音、補助金の公募要領、長いメールの経緯。→記事03:録音から議事録)
- 変換 — 形を変える仕事は一瞬で(手書きの注文書やFAXを表にする。→記事02:手書きFAX)
「毎回ゼロから書いている」「長くて読み切れない」「打ち直している」——この3つの言葉が出てくる業務が、最初の1つの候補です。
AI(ChatGPTなど)に、こう頼んでみてください
それでも思いつかないときは、AIに聞いてしまうのが早いです。無料で使えるAIを開いて、次の文をそのまま貼り付けます。人数と業種を、あなたの会社の内容に書き換えるだけです。
従業員10名の建設業の経営者です。AIをどの業務から試すのがよいか、まず私に質問をしながら、一緒に整理してください。
「まず私に質問して」と頼むのがコツです。一方的な答えではなく、AIのほうから質問してくれる対話になります。
コツ1|無料で、1つの業務から、まず社長が試す
お金をかける前に、まず触ってみてください。文字が打てれば使えます。そして順番が大事です。社長が触っていない会社で、社員だけが使い始めることは、まずありません。 最初の1回は、ぜひご自身で。
コツ2|うまくいったら「型」にする
効いた頼み方を、そのままメモに残してください。紙1枚で十分です。それを社内で共有しておけば、同じ業務なら次からは貼り付けるだけで済みます。この積み重ねが、やがて会社のやり方になっていきます。
毎日の業務に組み込む「仕組み」にしたくなったら、そこからは御社の業務に合わせた設計が必要になります。その段階でご相談いただければ十分です。
注意点|ルールを決めれば、安心して広げられる
社内に広げるとき、禁止にする必要はありません。ルールを1つ決めるだけです。覚え方は「新聞に載って困る情報は入れない」。具体的には、①お客様の個人情報 ②取引先との秘密(契約・単価) ③社内の未公開情報(財務・人事)——この3つは入れない、それだけです。
もう一つ、完璧を目指さないこと。AIは「優秀だけれど思い込みの激しい新人」です。もっともらしい間違いも堂々と答えます。ですから出てきたものの最終確認は、必ず人が行ってください。逆に言えば、うまくいかなくても失うのは数分です。気楽に試していただいて大丈夫です。
まずは今日、1つ試してみてください。それが、いちばん確実な「何から」の答えです。
この記事のまとめ

この続きが気になったら
同じ要領で使える「そのまま使えるAIへの頼み方」を、15の事例にまとめた小冊子(PDF)を、公式LINEにご登録いただいた方にお渡ししています。求人票・議事録・手書きFAXの読み取りなど、中小企業の”あるある業務”ばかりです。
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エムビジョン株式会社(福岡市)
